防災・減災を目的とした3Dコンテンツ試写会 日時:8月1日(木)  15:00-16:30 場所:パナソニック(株) パナソニックデジタルソフトラボ  1.概要説明 講師:(株)NHKエンタープライズ 佐藤英治氏 ・和歌山では、安政南海地震による大津波の際に、浜口梧陵という男性が、稲わらを つみあげた「稲むら」に火をつけ、暗やみの中で逃げおくれていた村人を、安全な高台へとみちびいたという話があり、元々防災教育に対する関心が高かった。 ・東日本大震災の際、後に「釜石の奇跡」と称される避難行動を導いた、群馬大学大学院の片田敏孝教授の意向を尊重したコンテンツを作成した。 ・津波3原則(「想定にとらわれるな」「最善を尽くせ」「率先避難者たれ」)が伝わるような映像を作成した。 ・ドラマの部分の撮影は2日間で行った。カメラはAG-3DP11台で撮影を行った。 ・上映スクリーンが非常にワイドな環境であったことや、聴覚障害者向けに字幕を入れることが求められことが非常に苦労した部分。 ・家族を信頼して逃げるということを伝える必要があった。そのため「つなみてんでんこ」というキーワードも入れた。 ・全体として、怖がらせないように抑え目にした。また3D映像が前に飛び出てくるような映像にはしなかった。 ・現地ではボディソニックも入っていたが、怖がらせないようにするため、自信のシーンなどでは利用したが、あまり利用しなかった。 2.3Dコンテンツ試写  「その日、命をまもるために」の3D上映を行った。 3.「その日、命をまもるために」編集作業について 講師:パナソニック映像(株) 片桐孝氏 ・メインの編集システムとしてiQ Pabloを利用して、サブシステムとしてMacを利用した。 ・上映環境は、スクリーンの横幅が7,540mm×高さが2,500mm。スクリーンから最前列までの距離は5,050mmであった。 ・視差管理は2%以下を目安として管理した。カット間の視差の変化量についても留意した。また近距離での視聴と、MPE-200の計測値を参考に調整を行った。 ・字幕は画面左に字幕スペースを作り、手前方向への視差を与えた。 ・作業日数は3日間。1日目が仕込み(素材を取り込み、オンライン化)、2日目が3Dでの確認、編集点の微調整、CGの挿入、エフェクト効果付加、全体の微調整、3日目が字幕挿入、視差・編集点などの微調整を経て原版が完成した。 4.主な質疑応答 Q:意図的に視差をつけようとした部分はあるのか。 A:意図的に視差をつけるようなことはしなかった。あまり寄ることができないカメラであったため狭い部屋のシーンは撮影が大変であった。 A:平面の写真を使う部分については、3Dで見えるようにバランスを取った。 Q:CGはパナソニック映像で制作されたのか。 A:CGはCG会社で制作されたものが持ち込まれた。 Q:今回の作品を2D化するという話はあるか。 A:そういった話は今のところはない。 Q:1:3と横長の映像であるため注意した部分は。 A:一般家庭で撮影したため狭い部屋のシーンの撮影は非常に大変だった。 Q:現地ではどのような反応があったか。 A:上映を始めてすぐには好評だったという話だったが、その後はきちんと追いかけていない。現地に確認したいと思う。 Q:撮影する際のモニターサイズは。 A:25インチサイズを利用していた。 Q:字幕のセッティングについて今回どのような知見が得られたのか。 A:字幕について最初は反対をした。色々とデモをした結果、最終的に左側の黒みというところに落ち着いた。 Q:2Dではできたのに、3Dでは逆にできなかった部分はあるか。 A:2Dであれば、カメラを複数台入れることやカメラのアングルを変えることもできたので、大分違った映像になったと思う。 以上