世界初のデジタル画質“評価用ものさし”映像CoSMEの配布について
 
平成24年3月末にて、"CoSME"の配布をいったん中止いたしましたが、CoSME映像管理者として日本大学大学院知的財産研究科の秋山雅和氏が引き続き"CoSME"の管理を行うこととなりましたので、利用を希望される方は、 までご連絡をお願いいたします。
 
 デジタルシネマや大画面FPDの登場により、35mmフィルム映画とブラウン管テレビを映像の出口として構築されてきた現在の映像制作技術は大きな転換期を迎えています。多様なデジタルでの視聴環境(画面サイズ、DLP/LCD/PDP/SED/FEDなど各種ディバイス、映像表示方式)と視聴方式(デジタルシネマ、地上波デジタル、iPOD、インターネット、Blue-Ray、HD-DVD...)が混在するなかで、クリエータが意図する映像表現を正しく視聴者に伝えるためには、この様な状況に対応したデジタル映像の“ものさし”となる標準評価映像が必要とされます。
 このデジタル画質標準評価映像“CoSME”は、平成16年度の文部科学省科学技術振興調整費に基づいた、東京大学安田浩教授をリーダーとする「デジタルシネマ標準化技術研究開発プロジェクト」のワーキンググループとして、東京工業大学(リーダー:中嶋正之教授)が担当した「デジタルシアターにおける色空間(再現)の統一色空間管理手法の研究」、「標準デジタルシネマシアターの運用技術研究」の一環として、21世紀の多様なデジタル視聴環境が混在する中での色空間(再現)管理と画質の“ものさし”となるよう、日本映画撮影監督協会の全面協力を頂き制作した映像です。
 
「CoSME」カット表(PDF資料)
 
【映像フォーマット】1080/24P 約13分(資料映像含む)
【使用機材】
 HD カメラ:SONY HDC-F950 w/HDCU-F950
 モニター :SONY BVM-D24(6500°K に設定)
 レンズ :FUJINON 単焦点シリーズ&10 倍ズーム(但しズーム使用はなし)
 レコーダー:計測技術研究所UDR-2E(4:4:4 非圧縮 RGB 記録)
 バックアップ:SRW-1 4:4:4 HDCAM-SR(RGB)
 照 明 :ARRI HMI(野外)、3200°K(スタジオ)
【言語】日本語版および英語版
【配布形態】デジタルデータ(ハードディスク)による配布
【配付の方式と費用】
ハードディスクのみの配付で、配付費用は、HDD代+送料+消費税込みで、2014年3月迄は84,000円、2014年4月からは86,400円になります。)

             「デジタル画質評価映像“CoSME”申請書 兼 利用許諾書」のダウンロード

非圧縮16bit、TIFF形式ファイルにて、NTFSフォーマットのUSB 2.0のインターフェイスを持つハードディスクドライブにて配布いたします(Fire Wire 400のインターフェイスをご希望の方はその旨ご連絡ください)。

(ご注意ください)
配布したTIFF形式のファイルは、そのままでは動画として再生できません。上位10ビットが有効なデータのため、TIFFデータを1画素毎に読み込んで10ビットRGBデータに変換して、ユーザーの保有している画像サーバーのRAWデータ形式に変換する作業が必要となります。
この作業環境が構築できていない場合には、StEMのハンドリング経験のあるポストプロダクションまたは映像機器メーカーにユーザーから業務委託(有償となります)をしてもらう必要があります。


【お問い合わせ・連絡先】
財団法人デジタルコンテンツ協会 事業開発本部 須藤智明
TEL:03-3512-3903 FAX:03-3512-3908 e-mail:
 
【Q&A】
今までいただきました質問をまとめてQ&Aを作成しました。
こちらをご覧ください。
CoSMEについてQ&A
 

 
色空間管理用標準映像“CoSME”の概要
 
“CoSME”は色空間管理用標準映像素材の英語訳 Color Space Management Evaluation Material から抽出した愛称であり、映像制作者が意図した映像表現がデジタル映像機器により様々な色空間(再現)や階調再現に虚飾されることを本映像素材で管理評価する意味に化粧品(Cosmetics)を想起させる愛称として命名しました。
 2003年前にハリウッドでDCIが、デジタルシネマの配給と上映をデジタル化するための評価映像素材(Standard Evaluation Material:StEM)をフィルム撮影した映像をデジタル化して配布しましたが、CoSMEは先行するStEMとの制作目的および標準素材としての意図を明確に差別化するためにこの愛称を使用しています。
 また、StEMにおいては撮影時のオリジナルカメラネガを4K(一部6K)レーザースキャニングしてデジタルデータ化しデジタルカラーコレクションやCIE-XYZ色座標データの変換などを行っておりますが、CoSMEでは現行HDTV規格となっているITU-R BT Rec.709の色座標系を基本とし、世界で最もデジタルシネマ撮影のノウハウを有している日本映画撮影監督協会と、映画フィルムの持っている優れた階調再現範囲をデジタルシネマ用HDカメラで実現するため、ガンマ特性評価テスト撮影を実施し、マスターモニターおよび蒲田デジタルテストベッドでのデジタルプロジェクターによる試写を重ね、新たにデジタルシネマ撮影用J.S.C.ガンマを決定しCoSMEの本撮影に望みました。
 映像フォーマットは1920×1080/24Pであり、学術的・定量的な色空間(再現)と画質評価の“ものさし”たり得る世界初の映像素材として、撮影時の映像素材がポストプロダクション工程での様々な画像処理や色空間変換工程を経ずに非圧縮の原画素材として配布されることと、撮影時の色空間(再現)に関わるデータおよび主要なシーンの色空間(再現)データがメタデータとして添付されます。
 
「CoSME」のより詳しい説明は、こちらPDF資料をご覧ください。


   
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