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『デジタルコンテンツ白書2014』発刊セミナー開催報告

2014年09月25日

『デジタルコンテンツ白書2014』発刊セミナー開催報告

平成26年9月5日(金)城西国際大学にて「デジタルコンテンツ白書2014」の発刊セミナーを開催いたしました。
当日は、約100名近くの方にご参加いただきました。

【日時】2014年9月5日(金)15時~17時40分
【場所】城西国際大学 東京紀尾井町キャンパス3号館 地下B1多目的スタジオ
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【概要】
●主催者挨拶 市原健介(デジタルコンテンツ協会 専務理事)
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●「コンテンツ産業の市場規模」  
 講師:木下勇一  (デジタルコンテンツ協会 調査部 主幹)
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・2013年の日本のコンテンツ産業の市場規模は、11兆9,094億円。
・市場規模の大きいコンテンツ項目のトップ10では、オンラインゲームが初ランクイン。
・デジタルコンテンツ市場は7兆6,589億円と拡大し、コンテンツ市場の64.3%を占めた。

●「デジタルコンテンツ白書2014について」
 講師 福冨 忠和氏(専修大学ネットワーク情報学部 教授/デジタルコンテンツ白書編集委員会委員長)
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・コンテンツ市場は数年横ばいの状況がしばらく続いている。大きなトレンドは、パッケージからネットワークへの流通形態の
  変化。
・ネットワークに代替している部分がビジネスの市場につながらない。
・今のこの状況を全部俯瞰して説明できないかという無理難題(今年の特集)を松本さんにお願いした。

●白書2014特集「クラウド化したコンテンツ~価値創出のメカニズム~」
 講師 まつもとあつし氏 (ジャーナリスト・コンテンツプロデューサー)
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・ネット化から現場ではクラウド化が進んでいる。
・ネットに移行しただけでなくユーザーの利用方法やビジネスモデルにも変化が表れている。
・音楽、アニメ、映像等の分野のビジネスの事例を紹介。どうすれば収益を確保していくことができるのか?
・クラウドに上がっているコンテンツはほぼ同じ。サービスの差別化要因はどこにあるのか?



●パネルディスカッション「コンテンツビジネスの現状と課題~コンテンツの価値創出にむけて~」

<モデレーター>    掛尾 良夫氏  (城西国際大学メディア学部 教授/㈱キネマ旬報社 顧問)
<パネリスト>   川口 洋司氏 (日本オンラインゲーム協会 事務局長/㈱コラボ代表取締役)                                                                               濱野  智史氏(日本技芸 リサーチャー/情報環境研究者)
                       まつもとあつし氏(ジャーナリスト・コンテンツプロデューサー)
                山口 哲一氏(音楽プロデューサー/㈱バグ・コーポレーション代表取締役社長)

― コンテンツのデジタル化、ネットワーク化、そしてクラウド化の進展に伴い、コンテンツの付加価値や価値創出に大きな変化
  が起きているのではないか。「音楽」、「オンラインゲーム」、「インターネット」において、白書の内容をもとに、コンテンツビジ
  ネスの現状とこれからの課題について発表いただき、ディスカッションした。

(音楽:山口氏プレゼンテーション)
・クラウドによる本質的な変化は「複製権(所有)」から「アクセス権(利用)」への変化。「音楽」が一番分かりやすい。複製権と
  アクセス権のハイブリッド型で著作権を考え、マネタイズしていくことをどうするのかというモデルケースを作らないといけな
  い。

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(オンラインゲーム:川口氏プレゼンテーション)
・オンラインゲームは1997年から出はじめ、3つ(コンピュータ技術、通信技術、流通モデル) のイノベーションを取り込みながら
 約15年間めまぐるしい変遷をとげてきている。
・世界の中の日本市場はどうなるのか。様々な問題が起こっている。

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(インターネット:濱野氏プレゼンテーション)
・白書では、他にはないパズドラ論を書いている。参考になると思う。
・アイドルブームは終わらないと思っている。なぜなら、他のコンテンツより面白いから。アイドル論からついに、今年はアイドル
 をプロデュースしてセミナーに連れてきた。

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(パネルディスカッション:掛尾氏(モデレーター))

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モデレーター(掛尾氏):デジタル化の進展で、返ってリアル体験の価値が増しているのではないか
・音楽の世界では50年前からコンサートやグッズで稼ぐということはしている。
 音楽業界=レコード会社というイメージがあるが、主役の交代なのかもしれない。(山口)
・最近は、リアル体験なのかどうかという切り方が適切なのか考えることがある。
 ニコニコ動画は、バーチャルな所で一般のユーザーとのコミュニケーションが可視化されていることが大きな特徴。
 それによって高まった価値をどう価格に転換してい くのか。(まつもと)
・元々、クリエイターは、「あの作品感動しました」とか言ったりしたいし、言われたりしたい。握手会はだれもがやるべき。
 複製コストは0に近づいている。複製出来ないものを売る。(濱野)
・オンラインゲームではここ10年くらいリアル体験と連動している。「対戦相手と会ってみたい」とか「ゲームの感動を話して
 みたい」といったことからガンホー主催のオフ会では3万人が集まった。(川口)

― 冒頭、横串にならないテーマなのでクロストークになるか心配ですがという掛尾氏の発言にはじまったが、このほか2つ
  (・今後のビジネスを構築する上の付加価値を創出に必要ことや世界を見据えたときのコンテンツビジネスについて等)
  の投げかけを行い、パネルディスカッションを終了した。
  セミナー講演のあとに、サプライズ企画。リアル体験のひとつとして濱野智史氏総合プロデュースのPIP(Platonics Idol
  Platform)によるライブが行われた。

最後は、「会場にいる97%の人は、握手会を誤解していると思うので体験してほしい。」という濱野氏のススメによる握手会を実施した。